「これだけ働いているのに、思ったほどお金が残らない」多忙な勤務医の方から、最もよく聞く言葉です。
当直、オンコール、休日出勤。責任の重さと拘束時間に比例して年収は上がっていく一方で、手元に残るお金は、あるラインを超えると急に伸びなくなる。
実はこの現象、「頑張りが足りない」わけでも、「お金の使い方が荒い」わけでもありません。原因は、税制と働き方のミスマッチにあります。
勤務医の年収が1,400万円前後に達すると、税金の世界では一気に景色が変わります。
所得税の最高税率帯が視野に入る
住民税10%がフルで乗る
社会保険料も上限付近まで到達
結果として、追加で稼いだ100万円のうち、半分近くが税金・社会保険料で消えるという状態が現実になります。ここで多くの医師が感じるのが、「これ以上働いても、報われている感じがしない」という違和感です。
なぜ忙しい医師ほど損をしやすいのか。理由は非常にシンプルです。
勤務医の収入は、ほぼ例外なく給与所得です。
給与所得は、
控除が年収とともに縮小される
経費の自由度が極端に低い
つまり、稼げば稼ぐほど“丸裸”に近い状態で課税されるという性質を持っています。
多忙な勤務医ほど、
確定申告は税理士任せ
「去年と同じでお願いします」が常態化
結果として、税金は「払うもの」「減らせないもの」という前提が無意識に刷り込まれていきます。
医師の世界では、「節税」という言葉に対してどこかネガティブな印象を持つ方も少なくありません。
しかし実際には、**制度が想定している“正当な節税”と、知らずに放置することによる“機会損失”**は全く別物です。
ここで一度、認識を整理する必要があります。多くの方が考える節税は、「税金を払わない方法」「裏技」といったイメージですが、本質は違います。節税とは、『お金の流れと性質を変えること』**です。
同じ年収でも
同じ労働量でも
「どうやって得たお金か」「どうやって使うお金か」で、手残りは大きく変わります。
この年収帯では、これ以上働いて収入を増やすよりも、
税金で消えている部分を減らす
将来の支出を先回りで準備する
方が、圧倒的に効率が良いケースが多くなります。
勤務医は、
定年まで働ける前提
退職金がある前提
で考えがちですが、税制上は「現役時代にどう設計したか」で老後の可処分資金に大きな差が出ます。
給与は安定しています。しかし同時に、
税制の影響を最も受けやすい
働けなくなった瞬間に止まる
という特徴も持っています。この構造を変えない限り、忙しさと税負担はセットで増え続けることになります。
ここで重要なのは、「派手な節税」ではありません。
本業を邪魔しない
管理に時間を取られない
税制上、説明がつく
この3つを満たすことが前提です。多忙な医師に必要なのは、テクニックより“設計”です。
実際に、同じ年収帯でも「手残りが全く違う」医師が存在します。
その違いは、
勤務先
診療科
ではありません。
「税金と資産を一体で考えているかどうか」ただそれだけです。
今年いくら払うか
10年後いくら残るか
何がリスクで、何が保険か
これを一度、整理しているかどうか。
多忙な勤務医にとって、毎年税金を考え続けるのは現実的ではありません。
だからこそ、
時間を取って
一度だけ
全体像を整理する
これが最もコストパフォーマンスの高い方法になります。
年収1,400万円を超えたあたりから、医師にとって本当の課題は変わります。
❌ どうやってもっと稼ぐか
⭕ どうやって手元に残すか
忙しさに比例して税金を払い続けるのか、それとも、制度を理解した上で賢く設計するのか。これは能力の差ではなく、
「知っているか、知らないか」それだけの違いです。多忙な医師ほど、一度立ち止まって“お金の残り方”を見直す価値があります。