私立大学医学部の学費を「節税分」で賄う。―― 家族のライフステージに合わせた教育資金・出口戦略の描き方

「子どもの将来の選択肢は広く持たせたい。でも、教育費は青天井っぽくて怖い」
子育て世代の医師・高所得の共働き世帯ほど、この不安は現実的です。特に私立医学部は、学費だけでなく、受験費用・予備校費・生活費(下宿の場合)まで含めると、“家計のイベント”ではなく“家計の局面”として襲ってきます。

そこで今回のテーマは、刺激的な言い回しをあえて選びます。
「学費を節税分で賄う」——ただし、これは“魔法の節税”で学費がタダになる話ではありません。正確にはこうです。

  • 本来「税金として流出していたお金」

  • もしくは「税・社保負担を前提に、合理的に設計できる余地」
    を、教育資金に振り替える仕組みを作る

ポイントは節約ではなく、仕組み化・見える化・出口戦略です。忙しい家庭ほど「毎月がんばる貯金」では続きません。だから“設計”します。

医学部学費1


1. まず前提:教育資金は「総額」より「ピークの波」が本質

教育費の怖さは、総額の大きさだけではありません。家計にとって本当に効くのは、

  • いつ(いつから)

  • どれくらい(年間でいくら)

  • 何年続く(ピークが何年)

という“波”です。教育資金は、「幼少期→習い事」「小中→塾」「高校→受験」「大学→学費・生活費」
と波が段階的に上がり、医学部の場合はピークが長い。

だから資金設計も、2層に分けるのが合理的です。

(1)毎月の積立で作る土台(ベース)

(2)ピークを越えるためのまとまった資金(バッファ)




2. 「節税分で賄う」の正しい意味:税を“家族のキャッシュフロー”に戻す

ここでいう節税は、危ないテクニックではなく、王道の整理です。

(A)取りこぼしをなくす(守りの節税)

まずは「やって当然」を全部拾います。
医師家庭は忙しいので、ここが漏れがちです。

  • 控除の取りこぼし(医療費・保険料・寄附など)

  • 申告のミス(経費、必要書類、計上漏れ)

  • ふるさと納税の上限ミス(やりすぎで自己負担増)

ここで作れるお金は“派手ではない”ですが、確実です。教育資金は確実性が価値。

(B)制度で“自動的に残す”(攻めの節税)

QOLを落とさない最大の武器は自動化です。

  • iDeCo:所得控除+運用益の非課税(長期の自動積立)

  • NISA:運用益非課税(忙しくても続けやすい)

重要なのは、「いくら増えるか」より
**“税負担が重い現役期に、手元資金を残す仕組みを固定する”**こと。
教育費は“増やす”より“確実に残す”が勝ちます。

(C)不動産は「節税」ではなく「教育費のキャッシュフロー装置」になり得る

ここが誤解されやすいポイントです。投資マンションは

  • 空室

  • 家賃下落

  • 金利上昇

  • 修繕

  • 売却価格のブレ

を抱えるので、節税“だけ”で判断すると失敗しやすい。
ただし、家計に耐えられる範囲で設計できるなら、

  • 家賃収入という“第2の収入の柱”

  • そして結果として税務上の効果が出る可能性

を持てることがあります。
教育資金に向くのは「派手に儲ける不動産」ではなく、長期で壊れにくい不動産です。


3. 家族のライフステージ別:教育資金の“描き方”

ここから具体的に「いつ、何をするか」を年齢で整理します。
(※家庭の方針で前後しますが、考え方の型として使ってください)

子ども0〜6歳:仕組み化のスタート期

  • 目的:教育資金の“土台”を自動で積む

  • やること:

    • iDeCo/NISA等の自動積立の固定

    • 教育費専用の積立口座(見える化)

この段階で最強なのは、「一度設定したら勝手に進む」状態を作ること。

小学生〜中学生:教育費の波が立つ時期

  • 習い事・塾などで支出が増える

  • 家計の固定費が膨らみやすい

この時期は投資の勝負ではなく、家計の耐久性が勝負です。
「教育費が増えても投資を崩さない」設計にしておくと、大学ピークで慌てません。

高校〜受験期:キャッシュの重要度が上がる

受験は読めません。私立医学部を視野に入れるなら、

  • 受験費用

  • 予備校費

  • 併願戦略
    など“臨時出費”が増えます。

このフェーズの合言葉は、キャッシュは正義
投資資産の中でも「いつでも動かせる資金」を厚くします。

大学〜:ピークを「支払い」と「出口」で越える

ここが今回の核心です。教育費がピークに入ったら、投資の役割は2つに分かれます。

  • ① 毎年の支出を家計で無理なく支える(キャッシュフロー)

  • ② 必要なら、資産の一部を“出口(売却)”で学費に充当できるようにする

つまり、大学期は「増やす」より「崩し方(出口)」の設計が重要です。


4. 出口戦略の描き方:いつ・いくらで・何が起きたら売るか

慎重な人ほど、出口が曖昧な投資に恐怖を感じます。正しいです。
だから出口は、感情ではなく条件で決めます。

出口の3点セット

  1. いつ:例)子どもの入学前後、学費ピークの前、あるいは一定年数保有後

  2. いくらで:ローン残高と想定売却価格の差で“売却ライン”を置く

  3. 何が起きたら

    • 金利上昇が一定ラインを超えた

    • 家賃が一定割合下がった

    • 家計イベント(教育費増、介護、転勤)が起きた

「売る/売らない」をその場の気分で決めると、ストレスが増えて失敗します。
出口を条件化できれば、「不動産=怖い」が「不動産=管理できる」に変わります。

医学部学費2


5. よくある失敗と、合理的な回避策

子育て世代がやりがちな失敗は、ほぼパターン化されています。

失敗①:教育費の波を甘く見て“固定費化”する

習い事・塾が固定費化して家計の余力が消え、投資を崩す。
→ 回避策:教育費の上限ラインを決め、ピーク時の現金比率を上げる。

失敗②:「節税」に期待しすぎて投資判断が甘くなる

節税額の話が先行して、立地・需要・出口が薄い。
→ 回避策:節税がゼロでも成立する収支か?を必ず確認する。

失敗③:家族稟議が弱い(奥様・ご主人の不安が未解消)

「なんとなく不安」で止まる。
→ 回避策:奥様向けに1〜2枚で

  • 最悪時の家計耐性

  • リスク一覧と対策

  • 出口条件
    を見える化する。


6. まとめ:教育費は「不安」ではなく「計画」にできる

私立医学部の学費は、恐怖の対象にしがちです。
でも、恐怖の正体は「総額」ではなく「見えないこと」です。

  • 波(ピーク)を見える化

  • 税・制度を使って自動で残す

  • 必要ならキャッシュフロー資産を組み込む

  • 出口を条件化する

この順番で設計すれば、教育資金は“気合いの貯金”ではなく、家族の資産設計に変わります。
節税は目的ではなく、結果として「家族にお金が残る」状態を作るための手段です。


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