不動産売却時に不動産会社がおこなう物件調査とは?調査の種類や流れも説明
土地や建物を売買するときは、大きな金額の取引になるのが一般的と言えるでしょう。
ところで、不動産会社では取引の前に物件調査をおこなっているのをご存じでしょうか。
この記事では、物件調査とは何かや調査の種類や流れをご説明しますので、不動産売却を考えている方はお役立てください。
不動産売却時におこなう物件調査とは
物件調査とは、不動産会社が物件を適正な売買金額でトラブルなく取引するのを目的におこなう作業で、物件の詳細や特徴を明確にするものです。
専門的な知識を有しない方が取引する場合には、不適切な値段がつくケースや境界石や雨漏りなどが原因となり売買後にトラブルが起きるリスクが高くなります。
不動産会社では、詳細な物件調査により、適切な価値の把握やトラブル防止に努めています。
なお、調査は6種類に区分でき、現地調査のほか法務局調査、役所調査、ライフライン調査、市場調査、取引事例調査になります。
売却する不動産の種類による物件調査の違い
マンションや一戸建て、土地など不動産の種類によって物件調査の調査するか所が違います。
マンションでは部屋の状況だけではなく、ペット飼育・楽器演奏の可否などの管理規約や、ポスト・駐輪場などの共用スペースの状況が重要な調査ポイントです。
また、ゴミ収集場所とゴミ出しルールや、バリアフリー環境、初期設備の範囲についても把握しなければなりません。
一方、一戸建ての場合は建物の構造を重視し、建て付けや雨漏りなどのほかリフォームの状況を調べます。
さらに、敷地に関しても調べる必要があり、近隣建築物の状況や境界の有無、埋設物を確認するとともに、道路との接し方も大切な調査項目になります。
土地だけのときは、一戸建ての調査における敷地に関する調査と同様と考えてください。
不動産売却時におこなう物件調査の流れ
まず、本人から住宅ローン残高や税金などの滞納の有無、相続人の存在などを聞き取るのが一般的です。
その後、聞き取り調査の結果なども考慮して6つの調査のうち必要な調査をおこないます。
現地調査は現地に足を運び、建物の配置や境界、周辺環境、道路の状況などを確認します。
法務局調査では、登記簿謄本などにより所有権名義や抵当権の状況などを確認しますが、所有権名義が売主と異なる場合は取引できないケースもあるので注意が必要です。
役所調査では、建物の建築方法やリフォームに対する制限などについて、建築基準法や都市計画法、その他法令による規定を確認するのが主になります。
ライフライン調査は、水道やガスなどに関する調査です。
役所調査でも上下水設備について調べますが、さらに深掘りし、飲料水設備や下水設備・浄化槽の有無のほか、電気の容量、ガスの種類やメーターなどを詳細に把握します。
そして最後に、物件の正しい金額を決定するために市場や取引事例調査をおこなうのが調査の流れです。