敷金償却とは?会計処理や注意点について解説!
賃貸管理や賃貸経営など、不動産管理には会計処理といった専門的な知識が必要です。
敷金償却はどのように会計処理にすれば良いかわからず、不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。
ここでは敷金償却について、会計処理や注意点について解説しますので参考にしてください。
賃貸の敷金償却とは
賃貸借契約には敷金や礼金が必要ですが、両者には大きな違いがあります。
礼金とは物件の貸主に対する謝礼金であり、返金の必要がありません。
これに対し、敷金とは家賃滞納や借主が原因である損耗の修理費用などを担保する目的のお金を指し、この償却金を差し引いた残金は借主に返さなければいけません。
つまり、敷金は返還を前提として入居前に預かるお金であり、償却金は敷金の中から返さなくて良いお金ということです。
償却金の目安は、その物件の築年数や入居期間などによっても変動しますが、おおむね敷金の6割となっています。
賃貸物件の敷金償却時の会計処理について解説
敷金は預かり金であり、返金する必要がある特殊な性質を持っていますが、一部は償却(敷金償却金)する性質があります。
このため、会計処理をする際には会計処理方法を把握しておかなければいけません。
敷金の償却額が決まっていない場合、契約時の仕訳は「差入保証金」か「敷金」を勘定項目とし、全額を資産として計上します。
そして退去時に返金する部分は、入居時と逆の仕訳で処理しましょう。
償却額があらかじめ決まっている場合は、償却額を「売上」とし、償却しない部分を「預り金」または「敷金」として処理します。
消費税の課税の扱いは用途によって異なり、居住用の場合は敷金償却金が非課税です。
店舗や事務所など、事業用の場合には課税対象となるので注意しましょう。
敷金のうち返還される部分は課税対象外となり、償却金は住宅用の場合には非課税、住宅用以外の場合には課税取引となります。
賃貸物件の敷金償却の際の注意点
敷金償却の際には、大きく2つの注意点があります。
1つ目は、敷金が預かり金であり返還されるという認識から、賃借人は退去時に瑕疵がない場合には全額返還されると思っている場合がある点です。
この見解の相違がトラブルの元となるため、敷金償却契約を結んでおくと良いでしょう。
まず、契約書において償却金額を互いに合意していることが大切です。
2つ目は敷金償却額が高額だと、賃借人とトラブルになったり、合意があっても無効とみなされたりすることです。
過去の判例では、家賃の3.5か月を超えているかがひとつの目安となっています。
償却金額は任意で決められますが、高額すぎないかを確認しましょう。