委任状とは?任意売却をおこなう際に果たす役割と委任する際の注意点
任意売却したいときに、何らかの事情によりご自身で対応できない方は、委任状が利用できないか、知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
公的証明書の取得や登記手続きで定着している委任状は、不動産取引でも利用できます。
この記事では、任意売却で委任状の果たす役割や、委任する際の注意点をご紹介しますので、読んでみてください。
任意売却における委任状とは?記載すべき内容は?
委任状は、依頼人が特定の仕事や取引を指定した代理人に委ねる内容を記載した書類です。
法律に基づくものではないため、業務内容により記載すべき項目は変わり、書式に厳格な決まりはありません。
委任状の役割は、代理人が行使できる権限を依頼人が指定し、それを超える権限を持たないことを明確にします。
任意売却の際に使用する理由は、代理人に与えられた権限を証明し、その契約が成立しない根拠を提供するためです。
具体的には、取引対象物件、売却条件(価格や決済日など)、不動産取引に関連する事項、委任の範囲などが明記されます。
また、署名と実印で認証され、依頼人と代理人の印鑑証明書、住民票も提出します。
委任状は、任意売却の際に評価証明書などの書類を役所から取得する際や債権者と交渉する際などに使用され、代理人としての証明として必要です。
委任状を使用しない場合、物件の所有者は、書類の入手から債権者との交渉まで自身でおこなう必要があります。
任意売却をおこなう際の委任状に関する注意点
依頼した代理人が与えられた権限を逸脱または越権した場合、責任は依頼人に帰します。
そのため、信頼性のある個人または業者を代理人として選ぶことが重要です。
とくに任意売却は高額な不動産取引を短期間におこなうものであり、専門的な不動産取引や法律の知識を持つ代理人を選ぶのが賢明です。
一つの注意点として、白紙委任をおこなわないことが挙げられます。
白紙委任は内容を特定せず、委任する権限だけを記載する書面で、これはすべてを代理人に委ねることを意味し、状況が取り返しのつかないものになってしまう可能性があるため、避けるべきです。
また、債権者に事前に確認を取ることも重要です。
債権者のなかには代理人による交渉や決済を認めない場合もありますが、特別な理由を入念に説明し、相談することで理解を得られる場合があります。
段階的な手続きを踏んで、円満な関係を築いておくことは、円滑な交渉を実現するために欠かせない要因です。
また、決済日などの重要な局面で、配偶者や親族を同席させることは、債権者や買主との理解を得やすくなる重要なポイントです。